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『決死圏SOS宇宙船』日本語版BDレビュー

ついに『決死圏SOS宇宙船』の日本語版BDが発売されました。発売元はDVDと同じ株式会社Stingrayさん。

※総評まで飛びたい方は一番下までスクロールしてください。

収録内容

特典は公式サイトでは以下のように示されています。

  • 1080pHDリマスターをさらにレストアした2022Ver.
  • TV放映版日本語吹替収録(テレビ朝日日曜洋画劇場」1972年8月6日放映)
  • 字幕切り替え無し! 《日本語吹替テレビ放映版再現再生機能》 付き
  • ジェリー・アンダーソンの音声解説
  • イギリス公開版「DOPPELGANGER」本編(100分35秒)[英語音声+日本語字幕/日本語吹替+吹替用字幕]
  • メイキング・オブ「決死圏SOS宇宙船」(9分10秒)
  • 「決死圏SOS宇宙船」ポスターの世界(7分20秒)
  • ジェリー・アンダーソン インタビュー(28分53秒)
  • オリジナル劇場予告編(3分6秒)
  • ギャラリー・アーカイブ(5分3秒)
  • 16P特製ブックレット(DVD付属のブックレット リサイズ・改定版)
  • 日本語吹替情報付き特製カード入り

一つずつ見ていこうと思います。

1080pHDリマスターをさらにレストアした2022Ver.

世界初の本作のBDである豪州盤の映像と比較すると、色合いが良くなっている場面もあれば悪くなっている場面もあり。これは好みの問題かもしれませんが、比較しないとわからないほどです。

TV放映版日本語吹替収録

DVDと同じ(はず)。

日本語吹替テレビ放映版再現再生機能

2分ほど存在しない吹替のない場面を飛ばして再生する機能。

なので普通より短いと思っていたら、表示された時間は英語版よりも1分ほど長いもの。ざっと見たところ、

  • 冒頭に『決死圏SOS宇宙船』のタイトルカード追加。
  • 最後に吹き替え声優のクレジットと「終」の追加。
  • 最後の場面でウェッブ所長が思い出すロス大佐の声が入った映像の紹介。

三番目は特に重要でしょう。何せDVDのブックレットで英国版『Doppelgänger』にこの声は入っていると記されているにも関わらず、今回収録されている映像には入っていないのですから。映像と音の質は劣りますがこの映像だけでも買ってよかったと思いました。

ジェリー・アンダーソンの音声解説

海外盤には収録されていた音声解説に日本語字幕がついたもの。同じ話が何回かでてきたりしますが、一聴の価値はあります。この手の音声解説に収録時期が書いていないことがほとんどですが、エジョージ・シーウェルが亡くなった後のようなので、2007年から12年の間に収録されているようです。本当に晩年ですね。

イギリス公開版「DOPPELGÄNGER」本編

フィルムの映像をそのまま流用しているので傷が目立ちますが、イギリスで『Doppelgänger』として公開された本作の映像です。クレジットの順番が違う他、画角も微妙に異なります。

※上の画像は豪州盤のスクリーンショットの色合いを調整した上で重ねたものになるので、日本語版とは異なる色合いです。

オープニングクレジットの違いは順番やタイトルが顕著ですが、書体の太さが違ったり、ワイプの仕方が微妙に異なったりと様々異なります。

また有名所では、ロス大佐がシャロンに見せる避妊薬の文字がカットされていたり。アンダーソン夫妻の公式ファンクラブ〈ファンダーソン〉発行の『FAB』69号の「The Secret History of Doppelgänger」に詳しく記されています。

fanderson.org.uk

メイキング・オブ「決死圏SOS宇宙船」

ジェリー・アンダーソンの公式YouTubeチャンネルで公開されている「Primer」シリーズの本作の映像に日本語字幕をつけたものでした。昨年の『劇場版サンダーバード』『サンダーバード6号』で「鑑賞の手引き」の題で字幕がつけられましたが、これからも続々と公式に字幕付きが出てくると良いですね。

上の映像と収録時間が異なるので「あれ?」と思いましたが、6分30秒頃からの『宇宙からの脱出』(1969年)の話が抜けていました。映像の著作権絡みでしょうか。

「決死圏SOS宇宙船」ポスターの世界

こちらも同チャンネルで公開されている「BIGRAT Bytes」シリーズから「The Weird and Wonderful Posters for Doppelganger」でした。

上の2つの映像でナレーション・出演をされているのはクリス・デイルさん。「Gerry Anderson Podcast」ではランダマイザーのコーナーを担当されていることでおなじみだと思います。『ネビュラ75』の「クリスマスのペテン師たち」でも声の出演をされていましたよね。

twitter.com

ジェリー・アンダーソン インタビュー

音声のみで、映像は関連する本編の映像などが流れています。インタビュー担当者が誰なのか、いつ行われたかの情報がないのですが、題名の示す通りインタビュー形式です。

DVDにはあったクレジットなしの映像ですが、ここにオープニングが収録されていました。エンディングは……なかったと思います。

ところで、またその手の話かと言われそうですが、字幕で「デヴィッド・ミットン」となっていたところは「デレク・メディングス」だと思うのですが……。

オリジナル劇場予告編

これです。ナレーションがイギリス英語なので前から本当にこれがアメリカ版の予告篇なのか気になっていたのですが、最近こんな映像も見つけました。

こちらはアメリカ英語のナレーション。こちらは収録されていません。よく見ると一部の映像が本編と比べて反転していますね。

ギャラリー・アーカイブ

いろいろな舞台裏の写真等+パッケージ+日本語版台本の表紙。
音楽が以前ネットで出回っていた海賊盤?と同じ編集なのですが……出典はどこなのでしょうね……

16P特製ブックレット

DVDの改訂版(「改定」は誤変換ですよね)。死没年などが追加されていました。

日本語吹替情報付き特製カード

端役も含めてすべての配役が記されていました。万歳!
ただ、男がA~E、声がA~P(Mを除く)、医師が医師と医師B、医師Cに加えて「メディック」がいたりと解読には時間がかかりそうです。
本編と見比べると、最後のドッペルゲンガー号関連の場面での配役が書いていないようにも見えました(整備士=国坂伸、管制官補=安田隆?、無線の声=作間功)。

ところで再放送用の台本って何が書いてあるのでしょうか。

総評

「買ってよかった」の一言に尽きます。これだけの内容を収録するのは色々大変だったと思いますが、本当に製作してくださったStingrayさんに感謝です。ありがとうございました。

www.stingray-store.com